「社会不安障害(SAD)」を抱える方は、電車に乗車するだけで汗が吹き出すという人もいるようです。また、不安障害の一つである「パニック障害」も併発していると、出社や登校すらかなりのエネルギーを要します。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)も総じて診断される「不安障害」ですが、できれば薬物療法以外にも対策をしたいところ。
ゆっくりと自分の症状と向き合ってみませんか?
◆不安障害は薬物療法に依存するのはよくない?
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重度の不安障害の場合は、セロトニンが欠乏状態になります。なので、医師からは「SSRI」というセロトニンを増やす薬が処方されることが多いはず。
この「SSRI」を服用し続けることも大事なのですが、問題は、医師は患者が「鬱状態」を訴えた場合は、「不安状態」などの診断をくださなければならないんです。
なので、もし仮に軽度の「不安状態」だったとしても、初診では、病名と処方箋はセットで出されるパターンが多いんです。
仮に何も処方せずに、その後、患者が大きな事故をしてしまえばとなると、医師は何らかの処方が必要となるんですね。
その際、信頼できる医師のアドバイスには従うべきですが、あまり薬物に依存しすぎると、「SSRIを断薬したい」というときに、なかなか止めづらい状態にもなりえるようです。
できれば、薬物療法は「不安障害・不安な状態を緩和する一つの手段」として活用すると“薬物療法への依存状態”にはなりにくいともいえますよ。
◆不安障害を改善するためには「深呼吸」が大事!?
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「不安状態」が続くと、どうしても呼吸が浅くなっている傾向の方が多いんです。
特に現代はPCやスマホを使用することが多いので、どうしても猫背気味で胸を圧迫しがちに。この影響も強いのですが、不安な状態が続くと、どうしても息が浅くなりがちに。
「不安障害」や「不安な状態」を改善するためには、しっかりと「深呼吸」を意識することで、かなり体の状態が軽くなります。
というのは、息が浅い状態だと、どうしても内蔵も圧迫され、体全体が重くなってしまいがちになるためです。特に、SSRIや抗不安剤を服用していると、眠気まで襲ってくるといわれています。
なので、体の重さと眠気が影響して、「不安な状態」で寝たきりになってしまうということにも。
「不安障害」を抱えた際は「睡眠」はもちろん大事なんですが、昼間まで寝てしまうと自律神経も乱れがちに。
生活習慣を整えるためにも、体の状態を少しでも改善したいですよね。
その際に、「呼吸」を日常で意識することで、できるだけ酸素を体内に取り入れる行動・運動が大事ですよ。
◆「不安障害・不安な状態」には有酸素運動やヨガで現状改善を
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もちろん、かかりつけ医を信頼して、薬物療法を続けることは大事です。
ただ、もっと劇的に改善する方法があれば活用したいですよね。
それが、ランニングやジョギングなどの有酸素運動と、体内の血流を促してくれるヨガなんです。
特に、有酸素運動を続けると、「セロトニン」が自然に出やすくなるので、自然な「不安障害」への対策にもなるんです。
とはいえ、重度の不安状態だと、なかなか体を動かすのも億劫になりがち。
なので、まずは「深呼吸」を意識したヨガから始めることをオススメしますよ。
「何かをしなければならない」ということはなくて、ヨガの基本は「呼吸法」から。
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座禅を組んで、腹式呼吸でゆっくりと息を吸い込む→ゆっくり吐くという行動を10分間することから始めてみては? コツは、自分の呼吸に意識を置くこと。
自然と腹式呼吸ができる状態になると、内蔵の状態もよくなって、体が軽くなってくることを体感できますよ。
もし、「ウォーキングやランニングをする元気が出ない」という方は、まずリラックスできる環境で「深呼吸」をしっかりすることから始めてはいかがでしょう?
有酸素運動の基本は「呼吸」にあるので、少し元気が出てきた状態から有酸素運動に移行すると、薬物療法と合わせて体の状態が改善しやすくなりますよ。
まとめ
いかがでしょう。
“不安な状態”が続く、社会不安障害、パニック障害、PTSDなどは、“無理をしないこと”が正しいのは間違いないです。
ただ、“無理をしなさすぎること”も、「社会から置いて行かれているのでは?」と不安になる方も。特に、真面目な性格の方は、その焦りで症状が悪化することもありえますよ。
じっくりと体の状態を良くしていくために、今日から「深呼吸」を意識しつつ、生活に有酸素運動を取り入れてみてはいかがですか。
「健全な精神は健全な肉体に宿る」ともいわれるよう、体調をうまく整えていってくださいね。
※本記事は「薬機法(薬事法)」に留意した記事内容です。
※本記事は、心療内科医師および整形外科医師のアドバイザーによる執筆内容です
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