3月2日の『あさイチ』で、“社会不安障害(SAD)”の特集をしていたようですが、ご覧になった人も多いのでは?
日本人の多くの方が発症する可能性も秘めた社会不安障害(SAD)ですが、普段から「どうしていいかわからない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
そもそも社会不安障害(SAD)自体があまり認知されていないようで、人前で話すことが恥ずかしいとか、人と面と向かって話せないと悩んでいる人も多いよう。
そんな社会不安障害(SAD)を克服するにはどうすればいいんでしょうか。
◆社会不安障害(SAD)をチェック
社会不安障害(SAD)の代表例として、人前で緊張してうまく話せないということがありますね。
あるいは、会社で周囲に誰かがいる状態で電話で話すと手や声が震えるなどの症状があります。特に、人前で話すときは、声の震えや手の震えと同時に、汗が異常に出てしまうなどの症状があり、学生から社会人まで多くの人が悩んでいるといわれます。
その他、いわゆるネットスラングでも使われる“コミュ症”も、社会不安障害(SAD)といわれます。
昔はこういった症状が「あがり症」だとか、「恥ずかしがり屋」と思われていたんですが、今では精神科医や心療内科医により“社会不安障害(SAD)”と診断されることも多いようです。
◆パニック障害かも?「社会不安障害」は当人はかなりツライ
たとえば大学の講義で発表が待っていたり、会社でのプレゼンを前にすると、緊張するのは誰しも当然です。
ただ、社会不安障害(SAD)の場合、その緊張具合は人並み以上といわれています。声の震え、手の震え、かなりの発汗に悩む方は多いですよね。
周囲はそれを冷やかして、「酒でも飲んでやれよ」などとしてくることもあるかもしれませんが、当の本人はそれどころではないのでは?
また、この社会不安障害(SAD)の症状は、実は“パニック障害”だと診断されることもあるんです。
たとえば、電車に乗るのが苦痛だったり、エレベーターの密室で震えが止まらず、突然の動悸や呼吸困難、発汗、めまいが襲ってくる場合は要注意です。
社会不安障害とパニック障害は混同されがちですが、その症状で対処法も変わってくるようなので、きちんと医師にかかったほうがいいですよ。
◆社会不安障害の身体症状ってどんなもの?
これまで挙げた社会不安障害の症状。お医者さんによると、下記のような身体症状が代表的なようです。
- 声が震える
- 顔がひきつる
- 顔が赤くなる
- 動悸、胸痛
- 息切れ、呼吸苦
- 震え
- 発汗
- しびれ
- 腹痛、下痢
普段、単に「あがり症」とか「恥ずかしがり屋」と思い込んでいた方も、社会不安障害であればうまく克服するに越したことはないですよね。
この社会不安障害は、先に挙げたパニック障害や、そのほかの精神疾患と併発することもあるので甘く見るのは危険です。
◆SSRI投与などの薬物療法
心療内科や精神科に通い、“社会不安障害”と診断されると、多くはSSRIというお薬が出されます。
このSSRIというのは、簡単にいうと“セロトニン”を出す手助けをしてくれるお薬なんですね。他の“抗不安薬”と一緒に出され、人前で話したり、そのほか緊張する場面で過度な身体症状が出ないよう、手助けをしてくれます。
ただ、薬物療法が嫌だという方で、他の克服方法がいいという方もいますよね。
◆社会不安障害を克服するには運動がいい!?
Lomero過去記事『1日を快適に過ごしたい!「セロトニン」をうまく増やす方法とは』でもご紹介したよう、食生活や運動習慣など、生活リズムを整えることが、社会不安障害の克服でも大事です。
特に、“リズム運動”は大事で、日頃からセロトニンを増やすという意識をしていると、心身ともに健康になりやすいんです。
たとえば、ウォーキングやジョギングなどのリズム運動は、セロトニンも出やすくてお手軽に行えますよね。
学校での発表が苦痛だったり、会社でのプレゼンに吐き気すらする方は、心療内科に通うのも大事ですが、まず生活習慣の乱れの解決、とりわけ運動の習慣をつけるのはいかがでしょう?
他の症状も合わせた精神疾患の原因として、生活習慣の乱れやストレスは大きな敵といわれます。
アルコールやタバコも影響することもあるようなので、なるべく健康に気をつけた生活をすることが社会不安障害の克服の手助けになるかもしれませんよ。
まとめ
そうは言っても、社会不安障害で悩む方は、重度なときは家から出たくないという方もいるのではないでしょうか。
そういうときは、思い切って専門医に診療してもらうことが大事です。
また、悩みすぎは症状の進行を早めるともいわれるので、自分自身にとって適切な対処をしてくださいね。
※本記事は「薬機法(薬事法)」に留意した記事内容です。
※本記事は、心療内科医師および整形外科医師のアドバイザーによる執筆内容です
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